美容室で接客中、笑顔の裏で何を考えてるか。お客様には絶対言えないけど、同業者と話すと「分かる!」と全員が頷く本音があります。

今回は、現役・元美容師に共通する 客には絶対言わない本音 10 個 をまとめました。美容業界の方は「これ、私も思ってる」と頷きながら読んでもらえるはず。お客様側で読んでも、美容師の心理が垣間見えて面白いと思います。

📊 データの出典本記事の美容師数・離職率・年収などの数値は、厚生労働省「衛生行政報告例」「新規学卒就職者の離職状況」「賃金構造基本統計調査」などの公的資料に基づいています。出典は記事末尾の「出典・参考資料」に明記しています。

数字で見る美容師という仕事

本音に入る前に、美容師という仕事の「いま」を公的データで押さえておきます。厚生労働省の衛生行政報告例によると、就業している美容師は約 57 万 9 千人、美容所(美容室)は全国に約 27 万 4 千件(令和 5 年度末)。どちらも過去最多で、街にこれだけ多くの美容室がひしめき合っているのが現実です。

一方で、働く側の数字は厳しい。美容師が含まれる「生活関連サービス業・娯楽業」の新規大卒者の 3 年以内離職率は 54.7%(令和 4 年 3 月卒)。新人のおよそ 2 人に 1 人が 3 年以内に去っていきます。平均年収も、賃金構造基本統計調査ではおよそ 370 万円台と、全産業平均(約 530 万円)を大きく下回ります。

店が多く、競争は激しく、給料は高くない——その構造のなかで、美容師は毎日お客様に笑顔を向けています。だからこそ、ここから先の「本音」は、わがままでも甘えでもありません。

1. シャンプーで腰がやばい、特に大柄なお客様の時

シャンプー台に背中を 30 度傾けながら、両手で頭皮をマッサージする姿勢。腰への負担が半端ない。1 日 10 人シャンプーした日には、腰が悲鳴を上げる。

特に体格の良いお客様の場合、頭の重さを支えるのも一苦労。「もう少し腰浮かせてもらえると…」って言いたいけど、リラックスしてもらいたいから言えない。整形外科行った美容師、たくさんいる

2. 「お任せします」が一番困る

「今日はお任せで」と言われると、内心ドキッとする。「カット 5cm くらい」「明るめのカラーに」とか、ある程度方向性指定してくれる方が、絶対イメージ通りになるし、後でクレームになりにくい。

本当の「お任せ」は信頼の証だけど、「どうしてくれるの?」と確認しても「何でも」と言われ、結局施術後に「思ってたのと違う」と言われたら…。「お任せ」と「思ってたのと違う」は紙一重

3. 指名取れない時のメンタル、SNS は地獄

スタイリストデビューしたばかり、指名 0 の日が続く。先輩スタイリストには指名が殺到、自分は雑用ばかり。

休憩中に Instagram を開けば、同期が「今月指名 100 人達成!」と投稿してる。SNS が地獄。家に帰って自分の Instagram を見て、フォロワー数の少なさに泣く夜もある。

指名取れない時期は、誰でもある。でも、その時期に何人が業界を辞めるか考えると、もっと話せる場所が必要だと思う。

4. ハサミ高くて自腹、月 3 万円消える

美容師のハサミは、安いもので 2-3 万、本格的なものは 10 万円超。これを 2-3 本揃えて、定期的にメンテナンス。アイロン、ブラシ、コームも全部自腹。

月収 20 万円のアシスタント時代、給料の 15% が道具代に消える。「これ、給料から引き落としすぎじゃない?」って業界に入って気づく現実。

5. 練習会が休みの日にある問題

平日は朝 9 時から夜 9 時まで仕事。週 1 の貴重な休みが「練習会」で潰れる。技術磨くため、と言われると断れない。

練習会のモデル探しも自腹。SNS で「練習モデル募集!」と投稿して、知り合いに頼んで来てもらう。来てもらった人にはお礼で食事代を出す。結局休みも金もない

6. 染料で手が荒れる、薬剤の匂いで頭痛

毎日カラー剤を使うから、手がガサガサ。冬は特にひどくて、ハンドクリーム塗っても追いつかない。

パーマ薬剤の匂いで頭痛になる日もある。換気の悪いサロンだと特に。妊娠中の美容師は薬剤を扱えないから、休職か離職か選択を迫られる。身体への負担、業界全体で考えるべき問題。

7. ノルマきつい、トリートメント売らないと詰められる

カット代だけでは利益が出ないから、店販品(シャンプー、トリートメント、ヘアケア)の売上ノルマがある。1 ヶ月で 5 万円、10 万円といったノルマ。

達成しないと店長に詰められる。「お客様に必要な提案ができてない」と。でも、「3 万円のシャンプー」を毎回提案するの、お客様に嫌われない?と内心思いながら、ノルマのために言う日々。

8. オーナーの気分で予定が変わる

個人店だと、オーナーの一言で休みの予定が変わる。「明日急に来てほしい」「来週の連休なし」。文句言うと「やる気ないなら辞めれば?」。

友達との旅行、家族の行事…全てキャンセルしたことが何度あるか。「個人店は人間関係次第」と業界ではよく言われる

9. お客様の遅刻 30 分、次の指名に影響

12:00 予約のお客様が 30 分遅刻。13:30 から次の指名。待ってもらうと申し訳ないし、急いで施術するとクオリティが落ちる。

「遅れます」の連絡もなく、当然のように遅れて来店。次のお客様に「もう少しお待ちください」と謝罪するのは私。「予約時間守って」って言いたいけど、言えない。

10. 結局、口コミで全てが決まる業界

どんなに技術があっても、ホットペッパービューティーの星 1 つで集客が終わる。一度 SNS で炎上したら、サロンごと終わる。

「お客様は神様」じゃないけど、「口コミは神様」。クレームが怖くて、本来言うべきアドバイス(「市販シャンプー使い続けるとよくないですよ」など)を言えない。これが業界の闇。

美容師は感情労働の最前線

10 個の本音、いかがでしたか。お客様の前では「素敵な髪型になりましたね!」と笑顔でも、心の中では別のことを考えていることがあります。

美容業界は離職率の高さが長年の課題です。厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」によると、美容師が含まれる「生活関連サービス業・娯楽業」の大卒 3 年以内離職率は 54.7%(令和 4 年 3 月卒)で、全産業平均(約 3 割)を大きく上回ります。技術だけじゃない、感情労働の負担、給料の低さ、休みの少なさ…色んな理由が重なって。

だからこそ、同業者と愚痴を吐き出せる場所が必要。「指名 0 だった日、どう乗り越えた?」「ノルマきつい時、どうしてる?」と本音で話せる仲間がいるだけで、業界に残るモチベーションが変わります。

グチトモは、そんな美容師の本音を吐き出せる場所。匿名だから、サロンの愚痴も気兼ねなく書けます。今日のあなたの本音、誰かが「わかる」と頷いてくれるはず。

出典・参考資料

  1. 厚生労働省「衛生行政報告例(令和 5 年度)」(美容所数・就業美容師数) https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html
  2. 厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」(生活関連サービス業・娯楽業の 3 年以内離職率) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000137940.html
  3. 厚生労働省「令和 6 年賃金構造基本統計調査」(美容師の平均年収) https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2024/index.html